私が社会人としてスタートしたとき、まさしくコンピュータの黎明期でした。

 

従来の事務処理がコンピュータに置き換えられ、効率化による時間短縮へとつながり、

 

やがて人員削減の道へ進みました。

 

確かに、業務効率化のもと人員削減が達成され、

 

さらに、オフィス全体業務が大幅に改善されたことにより、

 

勤務時間における「活動可能な時間がより増えた」ことは間違いのない事実でしょう。

 

コンピュータシステム導入が社会に拡がり始めたとき、

 

「この時間を有効活用しよう」という考えを

 

大きく唱える人は私の周りにいませんでした。

 

今でも、システム導入後に「時間を有効活用する」という観点から、

 

全社的に業務改善を実施している事業者は、まだ少ないような気がします。

 

これは、せっかく収集した顧客データを事業に活かせていない現象と似たところがあり、

 

時間をじっくりかけて顧客分析など実施することで、

 

何か発見できるチャンスを自らつぶしていることになります。

 

日本人は機械や設備などの資産を有効活用して、新しい価値を生み出すことは得意ですが、

 

データや顧客という現有資産を有効活用し、

 

価値を生み出すことには今一歩の感じがします。

 

企業にとって、今、一番大切な資産は「顧客資産(データを含めた)」です。

 

この顧客資産をいかに有効活用するかが、今後の事業活動における大きな課題であり、

 

企業の売上(利益)改善に直結する重要なテーマであると考えています。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。