ビジネスにおいて、

 

顧客管理の重要性に異議を唱える人はいないと思います。

 

しかし、事業所における顧客管理が「しっかりできている」と、

 

自慢できる事業者は少ないように感じます。

 

それは、なぜでしょうか?

 

ビジネスを大きく、「BtoB」と「BtoC」に分けた場合、

 

顧客管理については、「BtoB」のほうが進めやすいです。

 

法人相手のビジネスでは、

 

予め顧客ごと得意先コードが割り当てられ、

 

得意先コードに紐付いた取引履歴など分析することは難しくありません。

 

分析の範囲や精度をどこまでこだわるかによって、

 

得られる結果が異なるだけで、

 

ちょっとした簡単な分析であれば、大半が瞬時で得られるでしょう。

 

私の考える顧客管理は、分析内容にもよりますが、

 

あまり精度にこだわる必要はないと考えています。

 

特に、小規模事業者の多くは、顧客管理の重要性を認識しながらも、

 

本格的に取り組んでいる事業者が少ないため、

 

顧客管理を始めることにより、利益改善できる事業者は多いです。

 

事業責任者の中には、

 

顧客管理を担当営業による個々の判断だけに任せ、

 

事業所全体での統一感がない状況で、挙げ句の果て精神論に走り、

 

最後は営業マン個々のスキルに頼っているのが現状です。

 

そこで、顧客管理(分析)を通じて、

 

事業者側が顧客ごと基準に照らした評価を設定し、

 

その評価をベースに顧客全体を見直すことが重要となります。

 

事業責任者は、その結果から営業戦略を検討し、

 

具体的な行動まで落とし込むことにより、

 

利益改善につながると考えます。

 

私の経験ですが、

 

ある顧客で「以前は評価が良好だった」にもかかわらず、

 

なぜか芳しくない状況に陥ったことがあったのです。

 

私は少し気になっていたことがあり、

 

思い切って営業担当を変えたのですが、業績は予想通り好転しました。

 

原因は、双方担当者の相性が悪かっただけでした(実際よくあるケースです)。

 

あなたが、法人相手のビジネスを展開しており、

 

まだ顧客管理に取り組んでいないのであれば、

 

最初は販売管理資料を中心に、いろいろな角度から分析してみるだけで、

 

事業所の利益改善につながるヒントが見つかるかも知れませんよ・・・。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。