顧客管理の考え方は随分昔からあり、江戸時代には「大福帳」という帳簿で、顧客との取引情報を知ることができました。この帳簿には、「顧客情報や売上情報」が記されており、商家の大切な財産になっていました。

 

想像ですが、商家では大福帳を時折見ながら、ビジネスの戦略を練っていたはずです。
どこの、誰が、上得意(売上貢献客)かなど・・・ある程度理解したうえで、それをプロモーション活動に活かしていたと考えられます。

 

上得意とそうでない顧客の取引条件なども、しっかりと区別していたことでしょう。よく考えてみると、それは当然のことで、顧客のすべてが同一条件なんて通常はあり得ないことです。

 

しかし、最近まで「顧客サービス」という名のもと、顧客のほとんどを同等に扱い、それが当たり前として、長い間受け入られてきました。それが実現できた理由としては、大量生産・大量消費の時代を迎え、「物」が中心となり、販売量の拡大こそすべてという風潮が根幹にあったからです。

 

現在、国内では、大部分の人が物などに対して飽和状態にあり、今までのビジネスの考え方では通用しなくなってきました。また、インターネットの登場により、消費者は自ら情報を発信して、受け取る術を身に付けたため、企業主導型のビジネスでは今後益々むずかしくなります。

 

よく言われることですが、これからは顧客主導型でビジネスを創造しないと、企業は生き残ることができません。このような時代に転換した事実を、経営者はしっかり認識する必要があります。ある意味、昔に戻っただけで、これが本来の姿なのかも知れません。

 

そこで、まず企業は「顧客を知る」ことから始めましょう。
大切な顧客の中で、「どこの・誰が」売上貢献客なのか・・・必ず知っていなければいけないのです。そして、その顧客に「何度も購入していただける」プロモーション活動をするべきです。

 

このような「仕組み」がないと、今までと同じで何も変わりません。いつの時代も、生き残るには、「変化できる」ことです。これしかありません。

 

そのために、最初の一歩・・・できることから始めてみましょう!

応援します。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。