企業には「資産」という考え方があります。

例えば、工場には製造のために工作機械があります。この工作機械を活用することで、製品が完成し、それを販売することで企業は収益を得ます。

 

この場合、工作機械が企業にとっての資産です。資産とは、企業会計によれば「企業が支配している経済的資源」とされています。要するに、企業が収益を生むための「貴重な財産」なのです。

 

では、企業が収益を生み出す「最大の資産は何か?」と考えると、それは間違いなく「顧客」です。信頼関係が構築された顧客が多数いれば、その企業は継続的に収益を得ることができます。

 

しかし、ほとんどの人は、今月の売上や利益がどうであったかに一喜一憂します。この人たちは、一時的な収益に喜びを感じ、それで満足しています。例えは悪いのですが、「年収の多さだけを競い合っている」ような人たちです。

 

これでいいのでしょうか・・・?

一時的な収益ばかりを考えている人たちは、やがて姿を消していく運命です。これは、目の前のことばかり考え、ビジネスにとって重要である資産(顧客)を育てていないからです。

 

この顧客資産は、ありがたいことに育て方しだいで、企業へ継続的な収益をもたらしてくれます。このあたり、経営者は真剣に考える必要があります。

 

そのためにも、まずは「顧客管理」です。

顧客情報(リスト)を適切に収集して、顧客との信頼関係を構築することが大切です。この関係ができあがった、顧客が多数いればいるほど、企業は長きに渡り収益が得られるのです。

 

今回のイベントでいくら儲かったか・・・ということではなく、イベントで「何人の見込客があり、どのようなコンタクトをして、その中から何人の顧客が生み出されたか」にフォーカースしなければなりません。

 

極端な言い方をすれば、ビジネスで得た収益の大半は、将来の顧客資産を得るためにまわすべきかも知れません。最初は、利益が少ないけれども、これを繰り返すことで、近い将来に必ず利益は大きく伸びます。

 

顧客資産の考え方を取り入れた企業は、最初は大変かも知れませんが、やがて安定した成長を見込むことができます。「顧客を知る」・・・ここからスタートです。

 

あなたは、大切な顧客をしっかり把握していますか?

顧客との信頼関係を構築していますか?

今一度、ゆっくり考えてみましょう・・・。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。