世間では「回収業者」と呼ばれるビジネスが存在します。
あるものを処分(引取)する対価として、お金をいただくビジネスです。
有名なところでは「産業廃棄物業」。
建築現場や工場などで出てくる廃棄物を処分(引取)してもらう訳ですが、
中には処分(引取)を依頼したにもかかわらず、後払いを理由に対価を支払わないまま、
逃げてしまう事業所も案外あるそうです。
財務上では、いわゆる「貸し倒れ」状態となります。
そこで、解決策として、支払いは「前払い」を原則とし、先に支払われた金額内で、
廃棄物の処理を行うように業務フローを見直しました。
具体的には、依頼する側の事業所(実際は運搬トラック運転手ごと)へ
「カードを貸与し、先に指定口座へ入金(チャージ)後、取引が始まる」業務フローです。
あなたが、今、交通系ICカード(スイカやマナカカードなど)を利用するイメージに似ています。
このシステムを導入して効果があったことは、もちろん貸し倒れリスクがなくなりますし、
チャージ金額が少なくなった事業所へ再チャージの案内などを実施することにより、
事業所の担当者とのコミュニケーション(顧客との接触)が生まれたことです。
さらに、チャージ金額に応じたポイントを付与させることで、
事業所の貢献度に応じた「利益還元」がスムーズに実施でき非常に好循環しています。
これは「顧客資産を有効活用」している好例だと思います。
この記事を書いた人
- 大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。
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