今回は、ポイントカードを活用して、残念ながら失敗したケースを紹介します。
失敗には必ず原因がありますので、これらを教訓にして同じ間違いを起こさないよう心掛けたいものです。

 

ある事例ですが、貯まったポイントを金額換算して、購入金額から「値引き」するケースを見かけます。
これは、企業が本来得られる利益の「減少」を意味します。ポイント有効期限を設けている場合なら、顧客にその旨を伝えると、ほとんどの顧客がその場で値引きを要求します。

 

多くの顧客は「ポイント失効するくらいなら『値引き』のほうが良い」程度で、企業が期待する販促効果を望むことはできません。これでは、明らかに顧客と企業の両方にメリットがありません。ポイントカードは、ポイントが貯まることによる魅力(価値)を顧客に感じていただける「何かの要素」が必要です。これが、ポイントカード導入にあたり、一番考えなければならない点です。

 

しかし、顧客の中には、値引きという金額対応を強く望んでいる人たちがいます。今でも、この制度を取り入れている企業はたくさんあります。では、そのような企業の対応方法ですが、ポイント消化見込金額を「引当金」という勘定科目で毎期計上しています。

 

これであれば、会計期間において大きな利益減少になることはありません。
ただ、このような方法で対応しているところは、大手企業がほとんどです。中小企業では、引当金計上する考えが少なく、ほとんどが当月利益からマイナス対応しています。結局、最終的にはポイント制度を維持することができなくなり廃止に追い込まれるのです。

 

そこで、ポイント制度を導入する際、特に注意すべき点をまとめてみます。

【ポイントの還元は企業内で完結させる】

先ほどの例や外部カタログ業者の掲載商品を選ばせる企業を見かけますが、「外部へ支払金額を発生させない方法」がベストです。できれば、企業内で完結する方法で考えてください。飲食店であれば、特定の料理など無料にする、温浴施設であれば無料入浴券に充当してください。

【ポイント失効期限など必ず設ける】

顧客の中には、多くのポイントを貯めている人がいます。これを無期限対応にすると、企業のリスクが非常に高くなります。「ポイントカード利用規約」を作成することで、運用ルールを明確にして、顧客とのトラブルを事前に防いでください。上限金額など決めて、そこで一旦ポイント精算する方法もあります。

【コミュニケーション・ツールとして活用する】

顧客にとっては、ポイントの貯まることが楽しみのひとつです。企業側としても貯まっていくプロセスの中で、例えばスタッフから「あと少しで満点ですね・・・」とか「○○店もご利用いただいているんですね」など、積極的にコミュニケーション・ツールとして活用してください。これは「顧客との信頼関係を構築する」うえで、非常に大切なことです。

 

今回は、ポイントカード導入の失敗例についてまとめましたが、失敗から学ぶことは多いです。「今さらポイントカード・・・?」と考えるのではなく、顧客目線で考えた色々なアイデアなど取り込むことで、ポイントカードはまだまだ有効活用できます。

 

あなたなりの活用方法を考えてみてはいかがでしょうか・・・。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、OA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計などに携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムの販売担当となる。
その後、カード後加工(エンボス、エンコードなど)の情報処理専門企業へ入社し、カードの総合的な知識を習得する。また、大手アミューズメント企業向会員管理の業務受託を通じて、プライバシーマークの取得・更新にもかかわった。(更新審査4回に立ち会う)
現在、ビジネスマッチングにも積極的にかかわり、多くの異業種コラボを実現している。顧客資産の運用アドバイスを中心にしながら、企業PR・商品やサービスPRなど販促活動も行っている。また、将来有望な人材に対して、セミナー開催や事業アドバイスなどの支援活動をライフワークとしている。