カードを活用した会員(顧客)管理をする場合、カード発行料(相場で100~200円が多い)を「会員希望者から徴収するかどうか・・・」非常に悩みますよね。

 

今でも、カード発行料を徴収しているところは比較的多いです。カードの種類や作成数量などにも影響しますが、プラスチックカードですと単価100~150円(税別)程度になります。

 

この高価なカードを会員希望者へどんどん無料配布することは、企業側として確かに抵抗があります。また、顧客の中には、「カード発行料を取るの?」という感覚を持つ人もいるので、判断が難しいところです。このあたり、企業として「カード会員の扱いをどう捉えるのか」が、ひとつの判断材料となります。

 

店舗などでは、会員価格と非会員価格を設けているところがあります。会員価格のほうがお値打ちになっていますので、顧客は「長い目で見たら、カード発行料を支払ってもお得・・・」という考えになります。温浴施設も、このパターン(カード発行料を徴収する)が多いですね。

 

今後の会員(顧客)管理を考えた場合、大きな目的として「顧客との信頼関係を構築する」ことがあげられます。企業として、「自社のファンを育成していくためのカード活用」という捉え方が必要です。この場合、カードを持っている人は、企業に貢献している優良顧客です。

 

従って、この優良顧客から、カード発行料を徴収する考えは起きないでしょう。従来は、とにかく会員を増やすために、多くの会員カードを発行すること自体が目的になっていました。1回きりのお客様にも、高価なカードを無料配布していたのです。

 

これからのカード活用を考えた場合、カード発行料を徴収することは少なくなるでしょう。
例えば、比較的安価な紙製スタンプカードから始まり、ランクアップした顧客に正式な「プラスチック製会員カード」を持っていただくようなイメージです。正式会員カードを持っていることが、ステータス(優良顧客の証)となる訳です。

 

あと、多くの人が勘違いをされていますが、大部分の会員カードは「企業からの貸与」になっています。注意事項をよく見ると、そのような文言が必ず入っています。貸与ですから、本来は不要になったらカードを返却しなければなりません。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。