会員(顧客)管理システムの導入には、今まで多くかかわらせていただきました。業種も様々で、専門店・スポーツジム・アミューズメント施設・温浴施設・消費者金融など、自分でもびっくりするくらいです。

 

その中でも、特に忘れられないシステム導入があります。
それは、
ある百貨店の食品売場にテナントとして入っており、おもに塩干食品を扱い「辛子明太子」が売りになっていたお店のことです。

 

当時(1990年代)は、まだ「顧客の囲い込み」が主流であり、お店の「会員になると一律の割引」が受けられて、会員には「誕生月特典やイベント案内などDMハガキで郵送」していました。別段変わった内容ではないのですが、実は経営者がシステム導入に関する一切の業務を、我々販売会社へ依頼してきました。(これが発注条件でもありました)

 

会員募集の案内チラシ、会員入会申込書の作成、会員カードの制作・・・もうほとんどすべてです。本来は、会員管理システムの導入がメインなので、まったくゼロの状態からつくりあげることはありません。導入先の担当者にも、協力していただくことが普通です。私は、会員カードまわりを任されたので、会員組織名やカードデザインから始めることになりました。

 

「会員組織名」・・・本当に悩みました。店舗イメージから、横文字だけは避けようと考えていました。会社の後輩にもお願いして、イメージされる名前や言葉などいろいろ書いてもらいました。その中で「辛子明太子→辛い(辛口)」という言葉が目に入り、結局「辛口倶楽部」という会員組織名が誕生しました。

 

カードデザインは、辛口倶楽部の文字を全面に出し、カードの色を「辛子明太子の色」に合わせました。仕上がった色校正を確認したところ、周りの評判も良かったので、早速カード製造を手配しました。実際に出来上がった「辛口倶楽部会員カード」を初めて見たとき、なんとも言えない感動がありました。

 

この辛口倶楽部会員制度がスタートしてから、お店の売上は順調に推移し、食品売場の全テナント内において売上伸び率が素晴らしいとのことで、百貨店の売場責任者から褒められたそうです。その話しを伝え聞き、かかわったひとりとして最高の気分でした。

 

会員(顧客)管理と会員カードには、このような密接な「つながり」があります。たかが、プラスチック製の板キレですけど、カードには「いろんな想い」が込められているのです。今でも、時々カードを手に取りながら、「このカードはどんな想いで創られたのだろう・・・」とついつい考えることがあります。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、OA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計などに携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムの販売担当となる。
その後、カード後加工(エンボス、エンコードなど)の情報処理専門企業へ入社し、カードの総合的な知識を習得する。また、大手アミューズメント企業向会員管理の業務受託を通じて、プライバシーマークの取得・更新にもかかわった。(更新審査4回に立ち会う)
現在、ビジネスマッチングにも積極的にかかわり、多くの異業種コラボを実現している。顧客資産の運用アドバイスを中心にしながら、企業PR・商品やサービスPRなど販促活動も行っている。また、将来有望な人材に対して、セミナー開催や事業アドバイスなどの支援活動をライフワークとしている。