年齢を重ねるたび、昔との違いに驚くことがあります。

 

私は社会人となり、「OA機器販売」のシステム営業としてスタートしました。
FAXなど機器販売、サプライ品販売やコンピュータ帳票企画販売・・・多くの業務をさせていただきました。ここでの経験が、今でも自分の財産となっています。

 

入社した当時、FAXは1台約100万円でした。この話しを今の若い人にすると、全員びっくりします。
でも事実ですから・・・。FAXは画期的な商品であり、それまでのビジネススタイルを大きく変えました。通信手段と言えば「郵便・電話」だけ・・・そんな時代でしたから、瞬時に「紙に書かれた文字情報など」相手先に届くことで、企業にとっては生産効率を上げる結果となりました。

 

店舗ビジネスは、どちらかと言えばコンピュータ化が遅い業界でした。
今では当たり前ですが、ハンディターミナルを活用したオーダー登録など珍しく、総称で「レストランオートメーション」と呼んでいました。ハンディターミナルを店内POSと連動させて、オーダー情報は厨房内へ送信するシステムです。現在でも、基本的にはこのスタイルを踏襲しています。

 

当時は、ファミレス程度の店舗で、システム導入費用が1店舗あたり約600万円以上と高額でした。でも、店舗経営者の中には、システム導入メリットを感じとり、積極的に導入を進めていった企業もありました。

 

あれから20年以上経過して、今ではハンディターミナルが「スマートフォンやタブレットPC」などへ替わりました。システム導入費用については、1店舗あたり約100万円以下です。昔を知っている人から見ると、正直驚きです。これも、コンピュータが時代と共に進化してきた結果です。

 

20年前は、それなりに物やサービスが売れていた感覚があります。少しでも、良い物を購入したいという、消費者の行動も顕著でした。一方今では、物が溢れ・・・これといった「すぐ欲しい物」がありません。こんな時代ですから、販売行為が以前より非常に難しくなってきたと言えます。

 

そこで、「原点に戻る」ことを考えましょう・・・。
お薦めは、江戸時代から大正時代まで利用された『大福帳』の教えです。「いつ・どこの・誰が・何を・どれだけ」といった「顧客情報と売上情報」が詰まっていた大福帳の考え方・・・いわゆる「顧客管理の考え方」を再現してみるのです。

 

今であれば、進化したコンピュータ技術など活用することで、誰でも簡単にチャレンジできます。
多少の金額は発生しますが、あとは「行動するか・しないか」です。以前に比べれば、かなり導入のハードルは下がっています。

 

最後は、あなたの「決断」だけです。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。