ビジネス雑誌などの特集に、

 

「顧客の声を聞いて、それをあなたのビジネスに反映させましょう!」

 

という言葉が時々出てきます。確かにその通りです。

 

ここで、ある企業が「売上(利益)改善を目的」として、

 

「顧客(取引先)すべてにアンケートを実施」し、改善ネタを探したとします。

 

そこで、意見の多かった問題点など改善後、しばらく売上(利益)の推移を見ていると、

 

想像した結果が出ないケースがあるのです。

 

「顧客の声を聞いたはずなのに・・・なぜ?」

 

これは、企業が売上(利益)貢献顧客のことを考えず、

 

顧客(取引先)全体をアンケート対象としたことによる弊害と言えます。

 

「売上(利益)改善を目的」としている以上、

 

貢献顧客(優良顧客)に対して、アンケートを実施しなければなりません。

 

貢献顧客以外の一般顧客まで含めた意見を改善策に採用しても、

 

当たり障りのない内容となることが多く、実際、売上(利益)改善には結びつかないのです。

 

一方、貢献顧客の声を改善策に採用すると、売上(利益)改善を実感することでしょう。

 

貢献顧客とは、元々「企業が提供する商品やサービス」のファンですから、

 

ファンを大切にする企業の業績が好調なことは、よく考えれば当たり前なことです。

 

従って、「顧客の声を聞く」とは、言い換えると「貢献顧客の声を聞く」となります。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。