カードを活用した顧客管理システム・・・通常、店舗型ビジネスで活用するシステムと連想しがちです。いわゆるBtoC向システムであるという考え方。果たして、本当にそうでしょうか・・・?

 

カードを活用した顧客管理システムは、顧客へ「会員カード」を貸与し、特典を付与することで、何度も取引していただくための「顧客と企業の接点」として成果をあげてきました。カードが「顧客接点ツール」と言われる理由です。これからも、店舗型ビジネスにおいて、一定の働きをすることは間違いないでしょう。

 

ただ、カードを活用した顧客管理システムは、店舗型ビジネスだけのものではありません。実は、すべての事業に関係することであり、顧客管理の考え方次第で企業の業績は改善されます。残念ながら、このことに気づいていない経営者が多いと感じています。

 

カードを媒体(接点)として利用することは、企業対企業(BtoB)においても十分可能です。
例えば、利用料などカードへ「チャージ(先払い)」していただくことで、企業の貸し倒れリスクを軽減できます。特に、代金回収リスクの高い業界など、この方法でカード利用すると良いでしょう。

 

また、利用料に応じてカードへ「ポイント付与する」ことも簡単にできます。これは、利用額の多い企業に対し、何らかの特典を与えることで、さらなる取引をしていただくための販促効果が期待できます。店舗型ビジネスの「売上貢献客」には、さらなる「おもてなし」をする発想と似ています。

 

このように、カードを活用した顧客管理システムは、BtoBでも利用価値があります。
「顧客とのつながり」を意識した仕組みさえ整えば、企業にとって大きな資産となることでしょう。

 

この記事を書いた人

大久保 久明顧客管理・顧客資産運用アドバイザー/情報セキュリティ管理士
大学卒業後、コンピュータ専門商社でOA機器およびシステム販売、サプライ品販売、コンピュータ帳票の設計など携わる中で、カードを活用した顧客(会員)管理システムに出会う。業界30年以上のキャリアがある。現在は、「事業の利益改善には、顧客管理を通じて顧客との強固な信頼関係を構築することが最も重要である」との考えから、顧客資産の運用方法、さらに異業種とのアライアンスの推進など、経験に基づいたアドバイザーとして名古屋地区を中心に活動を続けている。また、事業の中に「なんらかの会員制を導入するべき」と提言し、導入方法などのアドバイスも行っている。「ポイントシステム(カード等)と連動した顧客管理の構築」、「個人情報保護管理体制の整備」など、情報セキュリティを含めた顧客管理に関する分野の専門家。最近では、事業目的や内容が近く、双方にメリットの感じられる企業や人同士を「つなげる」ためのコーディネート実績も多い。